映画で気分転換を
心が疲れたとき、誰かに励まされるよりも
映画の世界に“しばらく逃げ込む”ほうが落ち着く。
私は昔から、映画が大好きでした。
大学時代はTSUTAYAでアルバイトをしていたほど、
物語の中に入り込むことが何よりの癒しでした。
HSP気質の私は、人の感情に強く共感し、
嬉しい場面では一緒に涙し、悲しい場面では胸が締めつけられるほど影響を受けます。
でもそれは、“心で体感できる”という自分の強みでもあります。
そんな私がこれまで何度も救われた、
「心が疲れたときに観たい映画」を5本紹介します。
アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜
「タイムトラベル」と聞くと、どこか現実離れした物語を想像するかもしれません。
でも『アバウト・タイム』は、そんな非現実的な設定の中に“リアルな人生の温度”がある作品です。
過去に戻れる力を持つ主人公が、失敗や後悔をやり直そうとするたびに気づくのは、
「完璧な人生」よりも「大切な日常」の愛しさ。
観終わった後には、心がじんわりと温かくなる。
不思議と“今この瞬間”を大切にしたくなる、そんな優しい余韻が残ります。
過去の失敗があったからこそ出会えた人、
あのときのつらさがあったから今の自分がいる。
そう思えるようになるのは、この映画がくれる大きな気づきです。
どれだけ過去が良くても、人は前を向いて歩いていかなければならない。
そのメッセージが、静かに胸に響きます。
映画のサウンドトラックも心地よく、穏やかな時間を過ごしたいときによく聴いています。
私にとって『アバウト・タイム』は、
“人生の流れを優しく受け入れさせてくれる”一本です。
ウォンテッド
まず最初に言いたいのは――アンジェリーナ・ジョリーがとにかくかっこいい。
無駄のない動き、凛とした眼差し、圧倒的な存在感。
彼女の登場シーンだけで胸が高鳴ります。
そして主演のジェームズ・マカヴォイも最高。彼の繊細さと情熱のバランスが物語に深みを与えています。
物語は、どこにでもいる冴えない青年が、
ある日突然“自分には特別な才能がある”ことを知らされ、
過酷な訓練を経て覚醒していくというストーリー。
最初は弱くて自信のなかった主人公が、
痛みを乗り越え、自分の信念を見つけていく姿に、自然と力をもらいます。
「自分にも、まだ見ぬ才能があるかもしれない」――
そんな希望を感じさせてくれる作品です。
クライマックスの復讐シーンは圧巻。
両手に銃を持って突き進むあの瞬間は、何度見ても鳥肌が立ちます。
努力と執念は裏切らない――そう教えてくれるような映画です。
観終わったあと、少しだけ背筋が伸びて、
「私ももう一度頑張ってみよう」
「諦めるにはまだ早い」と思える一本です。
ハリー・ポッターシリーズ
ハリー・ポッターシリーズは、何度観ても心が震える作品です。
ハリーは幼い頃に両親を亡くし、理不尽な環境の中で育ちながらも、
自分の運命から逃げずに立ち向かっていきます。
彼は何も悪くないのに、常に“頑張らなくてはいけない”状況に置かれていて、
それでも腐らず、まっすぐに進む姿には、いつも胸が締め付けられます。
特に、最後にヴォルデモートのもとへ自ら向かうシーン。
「自分の命か、みんなの命か」――その苦しすぎる選択に、
何度観ても心が締め付けられます。
それでも彼は、たくさんの人に支えられながら、
ひとりで背負わずに“仲間と共に生きる”道を選んでいく。
この物語を通して、「強さとは孤独に耐えることではなく、
人を信じ、頼る勇気を持つことなんだ」と気づかされます。
そして、私が一番好きなキャラクターは“ドビー”。
自由を心から愛し、誰よりも純粋な心を持つ存在。
彼が最期に見せた勇気と優しさには、いつも号泣してしまいます。
ハリーのように、理不尽な現実の中でも前を向く強さ。
ドビーのように、どんなときも「自分の信念を貫く」勇気。
このシリーズは、人生に疲れたとき、何度でもその光を思い出させてくれます。
ロード・オブ・ザ・リング
壮大なスケールの冒険ファンタジー。
けれど『ロード・オブ・ザ・リング』が本当に伝えてくれるのは、
“戦いの強さ”よりも“心の強さ”だと感じます。
主人公フロドは決して特別な存在ではなく、
どこにでもいそうな、ごく普通の青年。
それでも、大きすぎる使命を背負って旅を続ける姿に、
何度観ても胸が熱くなります。
HSPの私は、登場人物たちの苦悩や恐れに強く共鳴してしまうタイプ。
だからこそ、絶望の中で「それでも進む」彼らの姿に、
心の奥が震えるような感動を覚えます。
旅の途中で何度も傷つき、倒れそうになりながらも、
仲間の存在や小さな希望を支えに一歩ずつ前へ。
その姿は、私たちが“現実”という旅を生きる姿そのもの。
観終わったあとには、「完璧じゃなくても、止まらなければいい」
そんな優しいメッセージが静かに残ります。
そして実は──
この作品が大好きすぎて、
映画の舞台となったニュージーランドのホビット庄を、ひとりで訪れたことがあります。
英語も全然話せない中、大学時代バイトして貯めたお金で日本を飛び出しました。
まるで映画の中に迷い込んだような、美しい緑の丘と丸い扉の家々。
私の夢の一つが叶った大切な思い出です。
ラブリーボーン
『ラブリーボーン』は、観るたびに胸の奥がぎゅっと締めつけられるような、
それでいてどこか温かさを感じる作品です。
物語は、突然命を奪われた少女スージーが“天国から家族を見守る”という切ないストーリー。
悲しみと怒り、未練と希望が入り混じった彼女の視点を通して、
「生きること」「愛すること」「許すこと」について深く考えさせられます。
この映画の好きなところは、単なる“悲劇”では終わらないところ。
スージーの家族が少しずつ立ち直っていく姿や、
彼女自身が“執着を手放し、光の中へ歩み出す”瞬間に、
「どんなに深い悲しみも、いつかはやさしい記憶に変わるんだ」と教えられる気がします。
映像の美しさや幻想的な色使いも印象的で、
悲しみの中にも“希望の光”を感じられる。
観終わったあと、静かに心が洗われるような感覚になります。
そして一番印象に残っているのは、
スージーが“最後にキスを選ぶ”シーン。
彼女は一時的に他人の身体を借りることができ、
その力で犯人を捕まえたり、復讐することもできたはず。
それでも彼女が選んだのは、愛する人との“キス”というロマンチックな瞬間でした。
その選択に、私は強く心を打たれました。
過去、私自身も「許せない」「懲らしめたい」と思うような出来事があり、
今でもその気持ちを完全に手放せたわけではありません。
でもこの映画を観ると、
“憎しみではなく、自分がより幸せになる方向を選ぶ”ことの大切さを思い出します。
『ラブリーボーン』は、喪失の痛みを描きながらも、
その先にある“優しさ”や“希望”を教えてくれる作品。
誰かを憎むよりも、自分の人生を丁寧に生きていきたい――
そう静かに背中を押してくれる映画です。
おわりに:映画が教えてくれた、心の整え方
昔から、映画は私にとって“現実から少し距離を置ける場所”でした。
心が疲れたとき、泣きたいとき、何も考えたくない夜――
スクリーンの中の物語が、そっと背中を押してくれたことが何度もあります。
『アバウト・タイム』が教えてくれたのは、「今を大切に生きること」。
『ウォンテッド』は、自分の中にまだ眠っている“可能性”を信じる勇気。
『ハリー・ポッター』は、何度観ても観終わった後心が落ち着く映画。
『ロード・オブ・ザ・リング』は、窮地に立たされるけれど最終報われる物語。
そして『ラブリーボーン』は、“憎しみよりも愛を選ぶ”強さ。
これらの映画は、どれも私の心の一部に静かに残っています。
どんなに現実が辛くても、スクリーンの中の誰かが懸命に生きている姿を見て、
「私ももう少しだけ頑張ってみよう」と思えた。
HSP気質で感情に敏感な私にとって、
映画は“癒し”であり、“共感の鏡”でもあります。
感情が大きく揺れることは、時に生きづらさにも繋がるけれど、
その分、作品の世界を深く“感じ取れる”という強みでもある。
映画を観るたびに、自分の中にある優しさや強さを思い出す。
だから私は、これからも映画を観続けていきたいと思います。
それは、誰かのストーリーを通して、自分を少しずつ癒していく時間だから。


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